スイス・チューリッヒにて2017年7月6日から10日に開催されたWorld Youth Music Festival(WJMF)、日本のバンドとして唯一、龍谷大学吹奏楽部が招聘され、コンテストの最上位クラスであるトップクラス部門に出場しました。
今回のスイスへの遠征は、創部50年を迎える龍谷大学吹奏楽部にとっても初めての海外への挑戦です。
龍谷大学吹奏楽部:The World Youth Music Festival (WJMF)ダイジェスト映像
※以下の映像をクリックください。(2分35秒)
2日目、7月7日(金)は市内の広場Munsterhofでのコンサートに出演しました。
本コンサートは、チューリッヒの市街地に特設のコンサート会場(テント)を設置し、スイス国内や海外から選出されたバンドが出演する野外コンサートです。龍谷大学吹奏楽部のステージでは、「高度な技術への指標」、ルロイ・アンダーソン作曲の「クラリネットキャンディ」、「サンドペーパー・バレー」、龍谷大学吹奏楽部の十八番である「ボレロ in pops」、ヨーロッパにゆかりのある「サウンドオブミュージックメドレー」を披露し龍谷サウンドを響かせました。また、日本の曲「花は咲く」では歌詞の意味を伝えるため、演奏にあわせて英語歌詞で歌いました。盛大な拍手の後にアンコールとして演奏した「アフリカンシンフォニー」は、ジャングルの雰囲気を伝えるため曲の冒頭で生き物の鳴き声を楽器で表現するといったユニークな演奏で会場を沸かせました。鳴り止まない拍手に応え、「ブラジル」を演奏しコンサートは幕を下ろしました。
スイスに到着して、初めての公の場での演奏。お客さんがどのような反応をされるのか不安でしたが、スイスでの観客の皆さんの反応はストレートで非常に温かく、素直に私たちの音楽を受け入れてくれていることが本当に嬉しかったです。広場コンサートを終え、私たちはすぐに音楽祭の開会式がおこなわれたHallenstadionへ向かいました。部員全員で参加した開会式の入場行進、82の出演団体と実際に出会い、交流し、コンテストに向けて更にモチベーションが上がりました。
コンテスト後は同会場(Theater11)にて「スイング・キッズ」とのジョイントによるガラコンサートに出演しました。
龍谷大学吹奏楽部、スイング・キッズのそれぞれの単独演奏、合同演奏と3部構成でおこなったジョイントコンサート。第1部は私たち龍谷大学吹奏楽部のステージでした。コンサート開催はヤン・ヴァンデルロースト作曲の「アルセナール」で華やかにスタートし、「クラリネットキャンディ」「サンドペーパー・バレー」「ボレロ in pops」を演奏。再度スタンディングオベーションを受け、アンコールとして「ブラジル」、「宝島」の2曲を披露いたしました。第2部のスイング・キッズの単独ステージでは、小編成のキッズジャズバンドが大人顔負けのサウンドを響かせており、想像を絶する演奏に驚かされました。そして第3部の合同演奏では、「ルパン3世」「In the Mood」「花」「Pink Panther」「Mambo No.5」「Rock Around The Clock」「Sing, Sing, Sing」を演奏。楽しんでいただけるよう、歌や踊りなど様々な演出も付け、初のビックバンドでのジョイントコンサートを成功させました。
今回のチューリッヒ国際青年音楽祭への出場を通し、海外の音楽に触れることができたと共に、様々な人々に出逢い、私たちの音楽についてのコメントを直接聞くことが出来ました。スイスの公用語であるドイツ語は、ほとんどの部員が全く触れたことがないという状態でしたが、言葉が通じなくても”音楽”という共通点のおかげでコミュニケーションをとることができました。音楽は国境を越えるということを本当に実感したスイス遠征となりました。また、練習場にホテル近くの小学校を貸していただいたのですが、小学生や先生が休憩時間や授業の時間を使って練習を見学しにきてくださっていました。練習後、小学生が持って来てくれた手紙。そこには「We love your music.」と書かれてありました。龍谷大学吹奏楽部にとって初の海外遠征、時差ボケや慣れない環境での生活に疲れが見えることもありましたが、このようなメッセージをはじめ、現地の方々からの応援の声にやる気をいただきました。
<ヤン・ヴァンデルロースト氏(大会審査員、作曲家・指揮者)からいただいたコメント>
Dear Wakabayashi-sensei and Kodama-sensei,
it truly was a pleasure to meet you and especially to hear the fantastic performance of your wind orchestra ± two weeks ago in Zürich! As you could find out, the entire audience was amazed by the very high quality of your concert: not only technically but also musically it was a stunning experience. My sincere congratulations once again: I think the very high marks (points) given by the jury said everything: it simply was an outstanding accomplishment indeed.
For me personally, it all had a special meaning to experience the very high quality of a Japanese wind orchestra performing so well … in Europe! I’ve been to Japan many times as you know and I’ve heard (and conducted) many great bands during my multiple clinics and concerts. But many people in Europe (or in the USA) still aren’t aware of the high musical standard of so many Japanese bands: it sometimes is difficult to explain that to people who never have heard or seen such a Japanese top ensemble … That’s why I was so glad (and even a bit “proud”) to experience how fabulous your wind orchestra has played in Zürich: you completely have convinced everybody who was in the hall!!
I wish you all the very best and continued success. Maybe our paths will cross again and who knows one day we’ll meet again (in Japan or elsewhere). Please pass these words to your students who did such a great job!
Most sincerely,