トレーニング室

疲労回復の入浴法

アスレティックトレーナーの森嶋です。

寒い日が続き、お風呂で身体を温めたい季節になりましたね。
今回は「ヒートショックプロテイン入浴法」についてお話しさせて頂きます。

ヒートショックプロテイン(以下HSP)とは身体に熱を加えると増加するタンパク質で、様々なストレスで傷ついた組織を守り、修復するタンパク質と言われています。

HSPの運動への効果として、筋肉痛の緩和や筋修復の促進に効果があると言われています。

先ほど述べたようにHSPは熱を加えると増加するタンパク質なので入浴し身体を温めることで疲労回復の効果が高まると言われています。

HSPを高める入浴法として
さら湯であれば
42°なら10分
41°なら15分
40°なら20分
の入浴でHSPを高めると言われています。

炭酸入浴剤を入れることによって
40°なら15分の入浴で良いとのことです。

暑さで途中つらくなったら湯船から出て休憩しても構いません。
入浴後は身体が冷えないように保温してください。

自宅では難しいですが、高濃度人工炭酸泉に入るとさらにHSP入浴法の効果が高まります。
身体へのご褒美に銭湯などに行き、高濃度人工炭酸泉に入ることをおすすめします。

スポーツ選手にとって疲労を回復させるのは大事な作業です。
ぜひお試しください。

 

深草・第9トレーニング室
森嶋和樹

風邪と睡眠

12月に入り、気温も低くなってきて、体調を崩している方も多いのではないでしょうか。
トレーニング室でも「風邪ひきました」というような学生も数多くみられます。

中には事前にインフルエンザの予防接種を受けるなどして、体調管理に努めている学生アスリートもいるようですが、今回は「風邪にかかるリスクと睡眠時間の関係」について、興味深い情報を見つけましたので、ご紹介したいと思います。

Pratherらの報告によると、睡眠時間が7時間を切ると徐々に風邪にかかるリスクが高まっていき、5時間を下回ると、そのリスクは7時間以上の睡眠をとっている場合の4.5倍にも上るそうです。必ずしも、「睡眠時間が短ければ風邪にかかる」わけでは当然ありませんし、それ以外にも様々な要因が関わる為、睡眠時間の確保のみで風邪を防ぐことはできませんが、そのリスクを低く抑えるには、平均的に7時間以上の睡眠をとることが望ましいようです。

学生の皆さんのライフスタイルの中で、一定の睡眠時間を確保することは困難かもしれませんが、一般的に言われるような、手洗い、うがいなどの他に、睡眠時間の確保も風邪にかかりにくくなる為に効果的な対策となり得るのかもしれません。

 

第8トレーニング室 馬目

 

Prather et al., Behaviorally Assessed Sleep and Susceptibility to the Common Cold. September, 2015

Strength Fundamentals〜ウエイトトレーニングを計画する③ ウエイトトレーニングの負荷(強度)と反復回数

瀬田トレーニング室S&Cコーチの菊地です。
11月に入り、急激に寒くなってきました。特に屋外での練習では、十分な防寒の装備をするとともに、ウォームアップを十分に行うようにしましょう。

今回はウエイトトレーニングの基本的な負荷(強度)の設定について述べたいと思います。
ウエイトトレーニングのプログラムでは、トレーニングの負荷(強度)は使用するウエイトの重量で表されます。通常は、あるエクササイズにおいて正確なテクニックで1回だけ挙上することができる最大重量(1RM:Repetition Maximum)の割合(%1RM)を用いて設定します。
また、5RM、10RM(それぞれ5回、10回反復可能な重量)など、最大反復回数で重量を指定することがあります。例えば、ある選手がベンチプレスで60kgを10回最大反復できた場合、この選手のベンチプレスでの10RMは60kgになります。
選手の1RMを特定するためには、1RMを直接測定するか、ある重量での最大反復回数から1RMを推定します。使用する重量が重くなるほど、可能な最大反復回数は少なくなっていきます。表1に、ある重量における最大反復回数と、そこから推定される1RMからの割合を示しました。この表に示されている関係から、ベンチプレスで60kgを10回最大反復できた場合、1RMはおよそ80kgであると推定できます。ただしこれはあくまでも目安であり、最大反復回数と%1RMとの関係はエクササイズ種目や部位、トレーニングへの熟練度や選手個々の特性によって変動します。

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1) 1RMの直接測定
この測定は、トレーニング経験を十分に積んだ選手に対して行うことができます。1RMの直接測定可能な種目は、ベンチプレス、スクワットなどコアエクササイズと呼ばれるカテゴリーの種目で実施することが可能です。

2) 10RM測定
選手のトレーニング経験がまだ十分ではないなど、1RMの直接測定が適当ではない場合には、10RMのテストを検討することができます。この測定は、対象となるエクササイズを適切なテクニックで行うことができれば、ほとんどのレベルの選手に対して行うことが可能です。また、多くのエクササイズで実施可能ですが、高度なテクニックが要求されるパワー系の種目などには適していません。
この測定では、各セットで1回ではなく10回反復させ、1RMを推定します。
選手がトレーニング経験を積みエクササイズテクニックに習熟してくれば、より重い重量を用いた反復回数の少ない測定(nRM測定)を行うことができるでしょう。1RMの推定は、用いる重量が実際の1RMに近づいてくるほど(最大反復回数がより低回数になるほど)精度は高くなります。

3) トレーニングの目標と、負荷・反復回数
一般的に、筋力向上を目的とするときには高重量(1RMの85%以上)・低回数(6回以下)で、筋肥大は中重量(1RMの67%~85%)・中回数(6回~12回程度)で、筋持久力向上は軽重量(67%以下)、高回数(12回以上)で行います。

【参考文献】

1 ) NSCA決定版ストレングストレーニング&コンディショニング(第3版), ブックハウス・エイチディ, 2010.

体脂肪率の増減について

みなさんこんにちは。
S&Cコーチの池田です。

スポーツ選手の体調管理の方法のひとつに、定期的な体脂肪率のチェックがあります。スポーツをしていなくても体型を確かめるために体脂肪率を計っている人もいると思います。ですが、実は体脂肪率の意味を良くわからないまま数値の上がり下がりに一喜一憂している人が多いのではないでしょうか。そこで今回は「体脂肪率」について少し解説してみたいと思います。

体脂肪率とは

体脂肪率とは、体重(kg)に対する体脂肪量(kg)の割合(%)の事で、体重の何%が体脂肪なのかを表す数値です。

体脂肪率(%) = 体脂肪量(kg) ÷ 体重(kg)

 

例えば、
体重50kg・体脂肪率20%の人は、体脂肪の割合が20%、体脂肪以外(筋肉・骨・内臓など)の割合は80%となり、重さにすると体脂肪が10kg、体脂肪以外が40kgとなります。
この体脂肪以外の重さのことを除脂肪量(kg)と言います。
体脂肪率が同じ20%でも、体重が60kgある場合は、体脂肪量が12kg、除脂肪量が48kgとなります(図1)。

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(図1)体脂肪率(%)は同じでも体脂肪量(kg)は違います

体脂肪率(%)はあくまで体脂肪量(kg)と除脂肪量(kg)の割合を表しているだけなので、体脂肪率の上がり下がりと体脂肪量の上がり下がりは少し意味が違います。

体脂肪率(%)の減少 ≠ 体脂肪量(kg)の減少

 

例えば、先ほどの体重50kg・体脂肪率20%の人が体重47kgになった場合、体重は3kgの減少ですが、体脂肪率は減る場合も増える場合もあります。

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(図2)体重が減っても体脂肪率は逆に上がることもあります

減少した3kgすべてが体脂肪だとしたら、体脂肪量は7kgとなり、体脂肪率は14.9%となりますが、減少した3kgすべてが除脂肪だとしたら、除脂肪量が37kgとなり、体脂肪率は21.3%になってしまいます(図2)。

また、体重は50kgのまま変化がなくても、体脂肪率が上がった下がったりすることもあります。

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(図3)体重が変わらなくても体脂肪率は変化することがあります

体脂肪量が2kg減って(10kg → 8kg)、除脂肪量が2kg増えれば(40kg → 42kg),、体重は50kgのままですが、体脂肪率は16%になります。逆に、体脂肪量が2kg増えて(10kg → 12kg)除脂肪量が2kg減れば(40kg → 38kg)、体脂肪率は24%になってしまいます(図3)。

あるいは、体脂肪量が1kg増え( 10kg→ 11kg)、除脂肪量が4kg増えて(40kg → 44kg)、体重は55kgになったにも関わらず体脂肪率は20%のまま変わらないということもあります(図4)。

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(図4)体重が増えても体脂肪が変わらないこともあります

そのため、体脂肪率をチェックする際には、体脂肪率の増減だけにとらわれるのではなく、体脂肪量と除脂肪量それぞれがどうのように増減しているのかを把握することが大切となります。

一般的な体脂肪率計の仕組みと注意点

体脂肪率を測定する方法はいくつかありますが、体重計に乗って体脂肪率も一緒に測定する方法が一般的で、トレーニング室に設置してある体脂肪計もこのタイプのものです(図5)。

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(図5)トレーニング室の体脂肪計(右は体重計)

このタイプの体脂肪計は体に電気を流してその電気の流れ具合によって体内の水分量を計測し、そこから骨や筋肉などの除脂肪量を推算します。そしてその除脂肪量を基に体脂肪量を計算しているのです。このタイプの体脂肪計では、体内の水分量が多い = 筋肉量が多い、と判定されるので、体内水分量が多い時に測定すれば体脂肪率は低めに出ます。逆に、汗を大量にかいたりトイレに行ったあとなど体内水分量が少ない時に測定すれば体脂肪率が高く出ることもあります。さらに、体内の水分量は日によっても違いますし、1日の中でも食事による摂取やトイレでの排泄、練習やトレーニングによる発汗などによって増減しますので、測定する度に数%の誤差が出る場合もあるということを知っておくとよいでしょう。

適切な体脂肪率チェックの方法

以上のように、一般的な体脂肪計で測定する体脂肪率は測定する時の体内水分量で若干の差が出ますので、できるだけ体内の水分量が同じ状態で測定することをお薦めします。また、こまめに測定していけば誤差を含めた中~長期的な変化を見ていくことができるので、自分の状態をより正確に把握することが可能になります。

体脂肪率の増減だけを見て一喜一憂するのではなく、いまの自分の状態がどうなっているのかをしっかり把握し、体脂肪を減らすべきなのか除脂肪量を増やすべきなのかといった課題を見極められるようにしましょう。

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