トレーニング室

ストレングス&コンディショニングコーチの仕事①

深草S&Cコーチの青木です。

各クラブとも試合シーズンが終了して、オフシーズンとなり身体づくりを積極的に行うクラブが増え、S&Cコーチとしては忙しい季節になってきました。

さて、先日大阪の中学生から突然手紙をもらいました。内容は「職業の調べ学習」との事で、簡単に言えば「どんな仕事してるの?」という内容でした。我々S&Cコーチについて、わかりやすい資料を返信しました。
先日のW杯ラグビーの日本代表チームの躍進には、S&C、ストレングス&コンディショニングへの取り組みがあったとテレビなどで紹介されていました。しかしまだまだその名前や役割が世の中に知られていません。
そこで、今回から6回にわたり、S&Cコーチの仕事について紹介していきたいと思います。

今回の第1回は「S&Cコーチとアスレティックトレーナーの役割の違いについて」です。

日本では「トレーナー」という言葉が スポーツの場面で多く使われており、「アスレティックトレーナー」と「S&Cコーチ」両方同じ呼び名で「トレーナー」とされる場合が非常に多いです。また、病院のリハビリ室の理学療法士や、鍼灸師や柔道整復師のいわゆる整骨院の先生なども、チームにおいての役割から「トレーナー」と呼ばれることがあります。

まず、我々と協力して仕事をして頂いている、アスレティックトレーナー(以下AT)の方々の仕事を簡単に紹介します。
ATは、スポーツ現場で選手が受傷したときの応急処置を行ったり、ケガの評価(ケガの程度を判断)、競技復帰までのリハビリプログラムを考えたりします。テーピングやストレッチ・マッサージなどの専門的な手技を使い、選手をより良い状態で競技に復帰させます。
また、ケガ予防のためにS&Cコーチと共に予防策をチームに教育・指導する専門職です。

一方S&Cコーチ仕事を簡単に紹介すると、S&Cコーチは主にアスリートを対象に、競技力向上と傷害予防を目的として、筋力トレーニングを中心とした安全で効果的なトレーニングプログラムを作成し、指導を行う専門職です。筋力、パワーを中心としたすべての体力要素へのアプローチを通じて、目的とする試合や期間に、選手、チームが最高のパフォーマンスを発揮することを目標に、エクササイズプログラムを作成します。

これら2つの仕事を簡単に図で表すと以下のような形です。(この図がすべてではありませんが)
ケガした選手をマイナスとして、プラスの方向へATが、プラスをさらに大きくするのがS&Cコーチといったところでしょうか。
S&C AT

以上、簡単に仕事を紹介させて頂きました。

第2回目は、「トレーニングプログラムの立案」について紹介したいと思います。

アメフト部 ACL予防プログラムの検証

皆さんこんにちは。

昨シーズン前十字靱帯(ACL)損傷が5件もあったアメフト部ですが、以前このブログでもお知らせの通り、2015年シーズンはシーズン前にスクリーニングと予防講習会を実施しました。

今シーズンは「ACLノンコンタクト損傷ゼロ」を目標に、チームウォームアップでの片脚スクワット、片脚ジャンプ、足の背屈可動域アップに取り組んできました。

結果としては、ACLノンコンタクト損傷は今シーズンも1件発生し、予防プログラムの効果はまだよくわからないところです。

11月末でシーズンが終了したため再度スクリーニングを実施し、シーズン前とシーズン後の結果を比較する作業を始めました。
実際には8ヶ月間の予防プログラムとなりましたが、最初に比べると足の背屈角度が改善してしゃがみ込みが楽になり、片脚スクワットで膝が内に入るような危険動作は修正できている選手が増えた印象です。

片脚スクワット 股関節、膝、足関節が全て屈曲できています

片脚スクワット 股関節、膝、足関節が全て屈曲できています


膝が内に入らず、足の真上に荷重できています

膝が内に入らず、足の真上に荷重できています


しゃがみ込み 足関節が背屈できています

しゃがみ込み 足関節が背屈できています

2~3月には再度ACL予防講習会を実施し、来シーズンこそは「ACLノンコンタクト損傷ゼロ」を目指したいと思います。

第9トレーニング室 アスレティックトレーナー
藤田まり子

寒い季節がやってきました!

はじめまして!
本年度の10月より第9トレーニング室勤務になりました中西智哉です。

11月下旬から急に寒くなり、これから年末年始に向けて気温も湿度もどんどん下がってきそうです。
今からの季節、インフルエンザや感染性腸炎が流行してきます。国立感染症研究所の発表によると、今年はノロウイルス感染による感染性腸炎の患者数が例年よりも増加傾向にあると報告しています。こういった感染症は一人が感染すると、クラブ活動や寮などの集団で行動している場合はチームメイトにも感染し大人数の集団感染を起こしてしまいます。

そして、専門的なトレーニングによって獲得した持久力パフォーマンスは、トレーニング中止によって比較的速やかに低下します。

あくまで自転車競技の例ですが、自転車競技者が食事・トイレ・シャワー以外はベッドで寝て過ごすと3日間で最大酸素摂取量(有酸素能力の指標)が16.5%低下するという報告もあります。これは研究ですので対象者は健康な人です。感染症を起こし、長期間寝て過ごした場合、食事もとれていないのでおそらくそれ以上にパフォーマンスが落ちてしまう可能性があります。

このように、体調不良でパフォーマンスを落とさない為にも普段から手洗いうがいを習慣化し、感染症へ罹患するリスクを少しでも減らしましょう。特に身近に感染症患者が出た場合は感染者を部屋に隔離する、トイレのタオルは別にする(寮などの共有トイレの場合はトイレを別にする)等など、対策を立てて下さい。

クラブ学生は、自分はスポーツをしていて体力もあるから大丈夫と思っていませんか?強度の高い運動を継続的に実施している競技者は免疫力が低下しているといわれています。油断せずに、自分自身の予防対策を見直してみてはいかがでしょうか?

朝食

皆さん、朝食は摂っていますか?

朝食が重要であることは様々なメディアで取り上げられ、その必要性は多くの人が知るところだと思いますが、それらの多くは、「脳の活動」や「ダイエット」などに関わる情報がほとんどなのではないかと感じます。

朝食を抜くことによって、「運動パフォーマンスに悪影響が出る可能性」について、興味深い報告を見つけましたので、今回はそれをご紹介したいと思います。

Claytonら(※)によって、日常的に運動を行っている男性10名の「朝食を摂った日」と「朝食を抜いた日」の運動パフォーマンスが、自転車エルゴメーターを用いたテストによって比較されました。その結果、「朝食を摂った日」のテストの方が、好成績だったそうです。

興味深いのは、このテストが夕方(17:00)に行われた、という点です。これは皆さんの練習やトレーニングの時間に当たるのではないかと思います。更に、「朝食を抜いた日」も昼食は摂取されているのです。つまり、昼にしっかり食べても、朝食を抜いていれば、部活動の時間に最大のパフォーマンスが発揮されない可能性があります。これが日常的に続くと、せっかくの練習やトレーニングから最適な効果が得られない、といったような悪影響も考えられます。

昼は食べても、朝食は抜いている学生は多いのではないかと思います。部活動への悪影響(の可能性)を避ける為、これを機に生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?

深草第8トレーニング室 馬目

※ Clayton et al., Effect of breakfast omission on energy intake and evening performance. Medicine & Science in Sports & Exercise, May 2015

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