トレーニング室

ストレングス&コンディショニングコーチの仕事③

深草S&Cコーチの青木です。

大学は、まもなく前期試験が始まります。大事な試験ですので、試合同様しっかり準備して、試験に挑んでもらいたいところです!試験終了後は、各クラブ合宿など強化練習期間に入り、その後秋シーズンに入るという感じで、シーズンまでの重要な準備の時期になるでしょう。

 

さてS&Cコーチの仕事紹介は第3回です。今回は「トレーニング指導」についてです。

S&Cコーチが、トレーニング指導するなんかは、当たり前やん!とみなさんは思われるかもしれません。しかし、ただ単にエクササイズを出来るようにするだけではありません。この「トレーニング指導」には色んな要素が含まれています。今回は、以下の2点にまとめて紹介したいと思います。

1.選手にトレーニングプログラムの目的・方法・重量設定・意識する部分などを指導する。

2.安全でかつ効果的にエクササイズが実施できるように常に観察、指導する。

 

1.選手にプログラムの目的・方法・重量設定・意識する部分などを指導する。

まず、前回紹介したように試合で良いパフォーマンスを出してもらうために、スケジュールに応じたトレーニングプログラムを作成します。そのプログラムを選手に理解してもらう事が重要です。

なぜその重量なのか?なぜその方法なのかなど、事前に理解すると選手もトレーニング対するモチベーションが上がります。選手の数が多く、1度で選手全員にプログラムの意図が指導できない場合は、メールやSNSなどを利用してプログラムが始まる前に全員に意図が分かるように図や動画、説明の文章を送り、事前にある程度理解してもらう事を行います。

ただ単にエクササイズを羅列したプログラムを配布するだけでは、選手がトレーニングの本当の目的を理解出来ないので、トレーニングに対するモチベーションを維持するのは難しいでしょう。トレーニングに対するモチベーションを上げるためにも、プログラムの意図を理解してもらう事は重要なS&Cコーチの仕事です。

 

2.安全でかつ効果的にエクササイズが実施できるように常に観察、指導する。

「トレーニング指導」の中で、最も頻繁に行っているのが、エクササイズ指導です。このエクササイズ指導は、まず選手が安全にエクササイズ出来ることが最も重要です。エクササイズのテクニック不足によるケガの発生を未然に防ぐためには、各選手が実施するエクササイズが安全で効果的に行われているかを、普段からしっかり観察し状況に応じて指導をする必要があります。バーベルを担いで行うエクササイズで、背中が丸まっていれば腰の傷害を起こす危険があるので修正するように指導します。エクササイズ中に無駄な動きが出ていれば、より効果的に行うように無駄な動きをなくすように指導します。

また対象者に応じ指導方法は異なります。まず初心者の場合は、出来るだけ多くの情報を与えずに、エクササイズ実施上の注意点を2~3点に絞って指導し、エクササイズ実施中には修正するような指導を少なくして、エクササイズ終了後に修正点を伝えます。経験者の場合は、修正すべき点をエクササイズ実施中に伝える事もあります。初心者、経験者に関わらず、エクササイズの良かった点を伝える事は、テクニックのフィードバックや選手のモチベーションを上げる事につながります。

「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、エクササイズを指導する際は、選手にそのエクササイズを正しく行う方法を見せる事(デモンストレーション)が、選手のエクササイズテクニック習得に効果的です。このことからS&Cコーチは日々安全でかつ効果的にエクササイズ行い自身のエクササイズテクニックを磨く事が推奨されます。

 

このように、「トレーニング指導」といっても、今回紹介できない部分を含めると、色々な要素が含まれています。少しトレーニング指導の奥深さが分かってもらえたかも知れません。

以上、S&Cコーチの仕事「トレーニング指導」について紹介させて頂きました。

次回は「測定と評価」について紹介したいと思います。

 

D Baker. (2001) Science and Practice of Coaching a Strength Training Program for Novice and Intermediate-Level Athletes. Strength and Conditioning Journal. 23 (2). 61–68.

S Plisk. (2003) Principle-Based Teaching Practices. Strength and Conditioning Journal. 25 (5). 57-64.

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