端艇部

7年越しの思い。表彰台につながる快漕

8月22日から25日にかけて戸田ボート場にて行われた第40回全日本大学選手権大会。日本一という称号をかけしのぎを削る選手たち。そのなかでも“男子舵手なしペア”に熱い思いを持つ2人の男たちがいる。龍大の中﨑(文4)・中村(法4)ペアだ。富山県立八尾高校時代から共に競技を続けてきた彼ら。「全国の舞台に出場し2人でメダルを取る」という目標を掲げ大学でも端艇部に入部し高めあってきた。しかし昨年は本来の出場予定だった男子舵手なしペアのクルーとしてではなく舵手なしクォドルプルのクルーの一員としての出場となった。「昨年出られなかった思いをぶつける」と意気込み迎えた今大会。そこには男子舵手なしペアとして出場する中﨑・中村ペアの姿があった。高校から大学の4年生までの7年間。7年越しの思いが今爆発する。

迎えたレース初日。龍大はいきなり優勝候補の日大と同じ組になる。「(中﨑)優勝するには勝たないといけない相手だった。(中村)いつかあたるとは思っていた」と語るように龍大は初戦から山場を迎える。緊迫したレースは序盤から日大に引き離される。ラスト500mでは追い上げたものの5秒の差を埋めることはできなかった。龍大は明日の敗者復活にかけるしかなくなった。

心機一転で臨む敗者復活戦。スタートから飛び出した龍大は他大学を圧倒。初戦から20秒近くタイムを縮めると1位でフィニッシュ。準決勝の舞台へと這い上がる。準決勝でもその勢いは健在。男子舵手なしペア出場大学の中で1番のタイムでレースを終え最終日の決勝へと駒を進める。

追い上げを見せる中﨑・中村ペア

運命の決勝戦。抱き続けてきた思いの全てをぶつける時。静まり返る会場に発艇の合図が鳴る。飛び出しは上々。500m地点まで日大との差はほとんどなくレースを展開する。しかしレース中盤引き離しにかかる日大に差をつけられ、東工大にも抜かれてしまう。この状況に中﨑は声をあげる。「頼むからあげてくれ。優勝するぞ」。この中﨑の声に中村が応える。「お互い最後の年。最後のレースで負けるわけにはいかなかった」と中村。龍大は大会前から鍛えてきた終盤での追い込み練習の成果を発揮する。東工大を追い抜くと前には日大のみ。残り250m。最後まで差を縮めにかかる龍大だったが日大の粘りの前に捉えきることはできず2位でのフィニッシュとなった。銀メダル。目標としてきた優勝の金メダルはつかむことはできなかったが、フィニッシュとともに2人の口からは「ありがとう」という感謝の言葉が自然と出た。

レースを終え「準決勝まで全体の1位タイムだったので優勝を目指していたが王者の日大が強かった。優勝はできなかったが一番いいレースができた」と中村。「思い通りの結果ではなかったが気持ちよかった」と中﨑。大会に臨むまで何度も喧嘩し、ぶつかり合ってきた2人の顔はやりきった表情を浮かべていた。また2人は後輩へ向けて「毎年メダルを取ってきた男子舵手なしペアとしての伝統を守っていってほしい」と思いを託した。2人で掴んだインカレでのメダル。7年の思いは今実を結んだ。彼らの胸には銀色に輝くメダルが誇らしげ掲げられていた。

メダルを掲げる中﨑・中村

(記事 龍魂編集室 三井 雄太/写真 平松 里彩)

 

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